完成までのストーリー

早稲田の街で、緑と本に囲まれて暮らす。

2025.3

今回ご紹介するDUO MAISON(デュオメゾン)は、不動産投資事業を展開するフージャースアセットマネジメントが手掛ける低層賃貸マンションブランドです。2014年に事業を開始してから、都内を中心に展開してきました。
早稲田大学まで徒歩1分。活気と緑あふれるこの場所で、私たちは「DUO MAISON早稲田」を開発することになりました。学生の皆さんには新生活を心から楽しんでほしい。そして、保護者の方には安心してもらえる住宅を届けたい…そんな思いをもって私たちは開発を進めました。今回は「DUO MAISON早稲田」(以下、DM早稲田)のプロジェクトストーリーをご紹介します。

徒歩1分で早稲田大学

早稲田大学があるエリアは、古くから大学を中心に学生街として栄える一方、多くの文化人を輩出し、文化や歴史が町並みから感じられる貴重なエリアです。ファミリー向けの穏やかな文教地区という一面も持っているこの場所で、ご縁があり土地を紹介いただきました。
私たちフージャースでは物件の開発を進めるときに、まずは場所に出向いて、立地や歴史を紐解くことから始めます。早速現地に向かってみると、その場にいた全員が「この土地で挑戦してみたい!」と思っていることが、言葉を交わさなくても分かりました。それぐらい、この場所に住むお客様の様子や暮らしが、土地を見たら鮮明に浮かんできたのです。立地の良さはもちろん、プロジェクトメンバーの中に早稲田大学のOBがいたということも背景にあると思います。

緑豊かな早稲田大学
緑豊かな早稲田大学

使いやすさだけでなく、「他にはない」を叶える

早稲田大学の目の前という立地から、ターゲットは地方出身の大学生としました。初めての一人暮らし。高校生活は勉強や部活に勤しみ、大学生になってお金や時間も増えて、関わる人の幅もぐっと広がるタイミングだからこそ、家に友人を招く機会も増えるはず。そんなときに、友人に自分の家のことを自慢できるような住まいにしたい。プロジェクトメンバーが高校生や大学生にヒアリングを重ね、使いやすさだけではなく、「他にはない」「人と違う」を叶えることを大切に、細部を詰めていきました。

20平米に憧れを詰め込んで

今回の物件は学生向け物件なので、一部屋のサイズは約20平米ほど。通常であれば、ワンルームを作るところですが、間取りを工夫して1DKを作り、造作家具などで暮らしに個性を演出することに挑戦しました。代表的な4つの間取りをご紹介します。
1つ目は、台形の形状を活かした間取りです。台形の部屋の形で家具が置きにくいことを考慮して、床上がりのベッドルームを設置。こうすることで暮らしの快適性を上げるとともに、1DKの暮らしを叶えることができるようになりました。

右側の部屋が床上がりのベッドルーム
右側の部屋が床上がりのベッドルーム

2つ目は、寝室の前に本を収納できる可動棚を設置した間取りです。通常であればリビングとつなげることが多い寝室ですが、あえて本棚のゲートで仕切ることで、部屋のアクセントになると同時に、寝室へ自然と誘われるようなデザインを目指しました。

本棚ゲート
本棚ゲート

3つ目は、タワーマンションでよく見かけるコーナーサッシを取り入れた間取りです。早稲田大学校内の豊かな自然を室内に取り込みつつ、外観のアクセントとしても機能するデザインに仕上げました。

コーナーサッシ
コーナーサッシ

4つ目は、メゾネットタイプの間取りです。メゾネット上階へ続く階段横には本棚ウォールを設け、部屋の雰囲気を作り出しています。本来であればリノベーションしないと手に入らないようなデザインを、この物件ではチャレンジすることにしたのです。こんな賃貸マンションは、滅多にないと思います。

本棚ウォール
本棚ウォール

またDM早稲田は、設備の質にもこだわりました。専有面積が小さくなると、水回りも小さくなることから、一般的には設備のグレードも落としがちです。しかし、保護者の方に少しでも安心してほしいという思いから、設備のグレードを担保することで、大切なお子様の生活を支えられるようにしました。
こうして、コンパクトな部屋でありながら、設備の品質の高さと、遊び心の両立を叶えることができました。

ひとりの人に届ける

DM早稲田は2024年3月に、無事に竣工しました。今回の物件は、総戸数11戸と戸数も限られているので、「比較検討」ではなく、「これが欲しかった」と思ってもらえることを目指し、プランにとことんこだわると同時に、集客にも力を入れました。賃貸マンションではあまりつくらないモデルルームを準備し、インスタグラムでの集客にもチャレンジしました。また、学校見学の際に物件探しを行う親子のことを考えて、あえて物件チラシも作成しました。
嬉しかったのは、入居後に居住者の方にアンケートをとってみると、利便性はもちろんですが、この部屋のデザインや収納といった点で選んでいる方がほとんどだったこと。部屋に個性を作って、それをアピールすれば、きちんと伝わるという自信になった瞬間でした。

外観写真
外観写真

ここまで書くと、非常にスムーズに進んだ物件だったように見えますが、DM早稲田は、私たちが開発した後、物件の所有者の方に引き継がれる形態であるため、オーナー様にご不便をかけないよう、建物が及ぼす近隣周囲への影響については特に注意を払いました。また、プラン作成時にも、ここまで挑戦していいのかと迷いがあった時期もありました。 けれど、どんな時もターゲットと、彼らに対してどんな暮らしを提供したいかの原点に立ち返ることを大切にしていたように思います。「一人の人に届けること」を意識し、そこに向かって突き詰めること。そうすれば自ずと答えは見えてくるし、お客様もついてきてくれる。そんなことを学んだ物件でした。この物件で始まる新生活が素晴らしいものになるよう、私たちもこれから見守り続けていきたいと思います。

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