完成までのストーリー

変わりゆく街の中心で、都市の活気と
美しい自然の景色を感じる暮らし。

2025.2

「100年に1度の再開発」と言われるタイミングを迎えた長崎。長崎駅周辺の再開発に加え、2024年10月には、サッカースタジアムを中心に、アリーナ、ホテル、オフィス、商業施設が併設する「長崎スタジアムシティ」が完成しました。街が変わり、便利に、より楽しくなる未来を見据えた場所にマンションを作る。また、フージャースとしては、長崎で初めてのマンション分譲です。こんなに心が躍る瞬間はありません。

再開発予定地から徒歩10分。この立地にふさわしいデザイン、そして暮らしやすいマンションを作りたい…!その背景には、販売現場での経験を活かし、お客様の声を聞き続けた1人の社員の思いがありました。
今回は、「デュオヒルズ長崎宝町」(以下、DH長崎宝町)のプロジェクトストーリーをご紹介します。

100年に1度のチャンス

西九州新幹線の開業をきっかけに、長崎駅を中心に長崎市内では100年に1度と言われる再開発が進んでいます。これに伴い、マンションも建設ラッシュを迎えています。私たちフージャースも例外ではなく、今回、長崎県で初めてのマンション「DH長崎宝町」を2023年11月に竣工しました。
今回マンションを建設した宝町は元々工業エリアで、建設地は自動車販売の会社が所有していた土地でした。マンションが建つイメージはないものの、「坂の町 長崎」でありながらも、フラットな道を歩いて徒歩10分で長崎駅まで行けることや、公共施設やスーパーなども充実しており、この場所で住まいをつくりたい、とチーム全員が思いました。

これだけ便利な場所ですから、競合ももちろん狙っているわけで。その交渉には非常に苦戦しました。長崎で全く名前の知られていないフージャースという会社。また14階建てのマンションを作るとなると、周辺の方への配慮も必要です。近隣の方やオーナーとじっくりと話し合い、ご理解をいただいた上で、ようやくこの土地を購入することができました。

再開発中の長崎駅周辺とスタジアムシティ
再開発中の長崎駅周辺とスタジアムシティ

安くて広いよりも価値のあること

私たちがマンションを建てたタイミングは、まさに建設ラッシュ真っ只中。各社が価格競争にしのぎを削る中で、建設費用も高騰し、さらに私たちの土地は狭小地ということもあり、そうはいきません。マンションの立地はもちろん、性能やデザインに力を入れることが必須でした。
改めてチームでリサーチを重ね、今回の物件のターゲットを変わりゆく街の未来に期待感を持たれているご夫婦と設定。「長崎の未来を楽しみつくす住まい」をコンセプトに、都市の活気と、長崎の美しい自然の景色を感じられる住まいを目指すことにしたのです。

14階からの眺望(スタジアムシティ建設前)
14階からの眺望(スタジアムシティ建設前)

地域の景色になる

DH長崎宝町はフージャースにとって1棟目ということもありましたし、建設地は工業地のイメージがついていることもあり、外観には非常に悩みました。通常デベロッパーでは自社のブランドを重視して、ブランドごとに外観デザインをある程度統一させることが多いのですが、私たちはこの場所に合ったものを建てることを第一に考えます。工業地帯のイメージを払拭させる清潔感と、再開発が進んでいく中で、落ち着きがありながらも、軽やかに伸びていく未来を彷彿とさせる外観にしようと方向性が決まりました。

そのために、建物を建てる上で重要な配棟計画を見直し、凹凸のない美しい外観を作りあげることに成功しました。配棟計画を練り直すことは、建築担当泣かせの作業ですが、担当自らがそう発案してくれた時には、この物件への強い思いを感じたものです。
また今回、廊下側がメインファサードになっていることもあり、クリアなガラス手摺を採用し、清潔感や未来感を出すために、ダブルマリオンを屋根まで通すことにしました。

外観写真
外観写真

細部にこだわる

本物件は狭小地だったこともあり、共用部にラウンジを計画することができませんでした。しかし、帰宅した時に少しでも安らぎや心地よさ、愛着を感じてほしいと、自然とのつながりを作ることにチャレンジをしています。
共用部で唯一開口がとれる窓先には、周辺の雑多な景色が見えないよう、現地で見え方を何度も確認しながら開口を設置しました。
また、エントランスホールの壁には、長崎の綺麗な海や光の景色を想起させるような、波を表現したデザイン壁を設置しています。当初は絵画を設置することも考えましたが、リサーチの中で触れた世界三大夜景や海、街を彩るライト(光)の美しさを思い出し、それを表現した波打ち際の波をデザインした壁を設置することにしたのです。現物を作るまで、段ボールと発泡スチロールで試作を繰り返し、現場の協力と根気なしでは作れなかった壁に仕上がりました。

エントランスホール
エントランスホール
波を表現したデザイン壁
波を表現したデザイン壁

お客様の声を大切に

本物件の建築担当は、幼少期を長崎で過ごし、フージャースでは販売の営業経験を経て、建築部に異動になった社員です。彼女は、担当マンション販売後も、日頃からお客様のお住まいになった後の感想を集め続けていました。そこには、お褒めの言葉もあれば、改善点もたくさんあります。彼女の中には、叶えたい物件のイメージが明確にありました。

今回の物件は63平米で3LDKという、周辺の物件と比較したら少しコンパクトな物件。小さいながらも、広く暮らすには工夫が必要です。例えば、LDKに広さを感じられるよう、排水ルートを変更してキッチンの天井を通常よりも高く取ることにしました。またキッチンに立った時に、目の前の壁を無くして広がりを作ろうと、マントルタイプと言って、前壁のない屋根のような形をしたレンジフードを採用しています。通常の住宅なら当たり前にあるカーテンボックスも野暮ったく見えるので、今回は採用しませんでした。
少しでも広く、スタイリッシュに、暮らしやすく。そして、お客様が来場されるモデルルームでは、豪華なオプションの設えで勝負するのではなく、実物に近いお部屋をしっかりと見ていただく。これらはすべて、過去のお客様が彼女に教えてくれたことです。

モデルルーム写真
モデルルーム写真
リビングから見たキッチン(モデルルーム写真)
リビングから見たキッチン(モデルルーム写真)

DH長崎宝町は、販売開始から4ヶ月というスピードで完売。モデルルームを訪れたお客様たちは物件の立地の良さはもちろん、この品質なら、売却も視野に入れて安心して購入できると購入を決めてくださいました。細部にまでこだわり尽くしたD H長崎宝町の物件の良さを実感して購入してくださったことが、私たちにとって大きな収穫でした。
マンションを建てるまでには多くの人が関わりますし、時には意見が対立することもあります。その中でも、お客様の声を忘れずに細部にまでこだわること。それを販売の現場でもお客様にきちんとお伝えをすること。今回の物件での学びは、次の物件へしっかりと引き継がれていきます。

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